「小さな政府」の弱点を補う「大きな社会」というコンセプト。

財政再建のために政府が大規模な歳出削減策を次々打ち出している英国では、キャメロン首相が掲げる「大きな社会」という、新しい政治理念が注目されている。

「大きな社会」のコンセプトは、これまで国家が担ってきた社会福祉を、市民の自発的かつ主体的な活動によって賄おうというもの。行政の手続きを簡素化し、自治体の権限を強化して、市民の社会活動を奨励する。また個人が学校を創設しやすくし、社会企業化へ助成する。まるでウィキペディアのように社会政策もクラウドソーシングで賄い、「小さな政府」の弱点を補おうという発想だ。実際、ソーシャルメディアを好む人々の間では、「大きな社会」の理念は好感をもって受け止められている場合が多いという。

欧米企業は「多元的なイノベーション」を受け入れるようになってきている。

従来のイノベーションに対する考え方も転換期を迎えている。いままで欧米の企業はそれを「自国で新しいアイデアを考え出し、それを途上国に輸出するもの」と解釈してきた。

しかし、この考え方は日毎に真実味をなくしている。

研究開発拠点を世界中に拡げるなかで、欧米企業は「多元的なイノベーション」を受け入れるようになってきている。

そして、新興国の企業は、あらゆる分野で“革新の旗手”になろうとしている。

イノベーションの本質は、「再考」することにある。

しかしながら、欧米諸国では多くの人々が、技術面の飛躍的な進歩や発明と同一視しており、画期的な新製品に具現化され、エリートたちに受け入れられた後、大衆のもとに伝い落ちてくるものと考えている。

しかしもっとも重要なイノベーションの多くは、製品や製造工程に加えられる漸進的な改良からなり、所得ピラミッドの中心や底辺に属する人々に向けられたものだ。

新興国が飛躍的なイノベーションに大きく貢献していくだろうことに、疑問の余地はない。

世界経済再編は、新興国から始まる。

・新興国に拠点を置く多国籍企業は現在、約21,500社に上る。

・世界の時価総額上位500社に名を連ねるブラジルやインド、中国、ロシアの企業の数は、2006年から08年の間で、15社から62社に増えた。

・ブラジルの多国籍企業の上位20社は、06年の1年間だけで外国資産を2倍以上に増やしている。

・フォーチュン500に名を連ねる企業は全体で、中国に98ヶ所、インドに63ヶ所の研究開発拠点を有している。なかには、2ヶ所以上の拠点を抱える企業もある。

・GEの医療部門は、同社としては世界最大規模となる研究開発拠点をバンガロールに建設するため、数年間で5000万ドル超を費やした。

・シスコは、バンガロールに2つ目のグローバル本社となるシスコ・イーストを10億ドル以上をかけて建設中。

・北京にあるマイクロソフトの研究開発拠点は、米国本社を除けば世界最大規模。

・アクセンチュアでは、従業員の4分の1がインドで採用されている。