政治家と違って、実業家にも企業にも、市民の利益を考える義務はない。金持ちの中には別の動機を持つ向きもあろうが、企業にとって大切なのは道徳より商業的動機で、市場の気まぐれに左右される。いうまでもなく、西洋の企業は、顧客にアピールできるはずの、こうした社会的事業に乗りやすい。つまり、慈善事業のもとにあるのは市民のニーズではなく、市場への訴求力なのである。福祉と社会正義がますます市場に任せられる現代世界では、少数派の利益や地味な建前は軽視される。病気の人たち、ホームレス、購買力のない、顧客として魅力のない人たち、発言力のない人たちは、今後さらに排除されるおそれがある。
— ノリーナ・ハーツ「巨大企業が民主主義を滅ぼす」
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